点字翻訳作業について

視覚障害者が触覚を使って読む字のことを点字、といいますが、文字から点字に訳すことを点字翻訳(点訳)といいます。点字翻訳は今でも多くをボランティアに負っている根気のいる作業です。



点字翻訳作業について



点字とは、視覚障害者が主に指などの触覚を使って読む字のことで、規則によって定められている6つの点の盛り上がりによって、文字数字を表現しています。
パソコンが普及するまでは、全て手作業で、文字を点字に翻訳していましたので、膨大な時間が必要でしたが、パソコンが普及した今日では、自動点字翻訳ソフトが開発されてきて、以前に比べると点字に翻訳する作業は軽減されてきました。

ですが、点字の翻訳には独特の決まったルールがありますので、パソコンに文字を打ち込むことができれば、点字翻訳ができる、というものではありません。点字翻訳を志すのであれば、一度は、基礎からしっかり学習した方がよいと思われます。

点字は最近では、駅や自動販売機で見かけるようになりました。駅では切符売り場だけでなく、手すりなどの最初と最後に点字が貼られていたり、またトイレにも男女の別、或いは洋式和式がわかるようになっているところがあります。点字を必要としない者にとっては何気ないことが、視覚障害者にとっては大変困難なことでしたが、ようやく状況が追いつきつつある、といった所でしょうか。この状況にも点字自動翻訳ソフトの普及が大きく影響していると思われます。

しかし、たとえ点字自動翻訳ソフトがあっても、点字として利用するには、点を触覚でわかるために、点を盛り上げる作業が必要になります。これは、点字板というケースのようなものを使って、紙などに一つ一つ点を針のようなもので刺していくことが必要です。
点字自動翻訳ソフトで印刷した点字の鏡像をもとにして、点字を打っていく作業は大変根気のいる作業です。(鏡像というのは、裏側から点を押していきますので、鏡に移った時に逆さまになっている状態のものを言います)

この作業全てを含めて、点訳(点字翻訳)といいますが、この作業は今でも多くはボランティアによって支えられています。

点訳を仕事にできないか、ということをよく聞きます。
介護が資格になり、仕事として成り立ってきていますから、今後はその方向に行くことも十分考えられることではあります。しかし、現在のところはボランティアに負うところが多いようで、仕事として生計を立てている人がどれくらいいるでしょうか。
役所や公共性のある施設を運営しているところは、お金を出して点字翻訳の作業を依頼することもあると聞きますが、図書や教科書などに関してはまだまだ遅れており、ボランティアが支えているようです。

自動点訳ソフトの普及とともに、点字への理解が必要です。





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